歯の土台(コア)
歯のかぶせ物治療に必須な「土台(コア)」とは?
大きな虫歯で神経を取ったり、歯が破折するなどして、広範囲に欠損している歯には「かぶせ物」をつけますが、かぶせ物だけでは十分に歯を補強することができません。
そのため、ご自身の歯とかぶせ物をつなぐ「土台」が必要となります。これは歯の根っこを補強するためのもので、いくら立派なかぶせ物をつけても、土台がしっかりしていなければ後になってトラブル(歯が割れる・根っこが折れる・かぶせ物がとれる等)を生む原因となってしまいます。
歯科治療では、この土台を「ポスト」または「コア」などと呼びます。
コアの種類は大きく分けて3種類
一般的に、コア(土台)には大きく分けて3種類があります。
◆メタル(金属)
◆レジン(プラスチック)
◆グラスファイバー
それぞれの特徴と、どんな治療に向いているのかをご説明いたします。
メタルコア(金属のコア)
保険診療で、欠損が大きい歯の治療をする場合、多くの場合「メタルコア」が使用されています。材質としては、金銀パラジウムや銀合金が使用されています。
どちらの材質を選択するかは医院によって判断が異なるので、特定の金属アレルギーが心配な方は一度確認されることをお勧めいたします。
【メタルコアのメリット】
◇保険が適応されるので費用が安価。
◇ほとんどの症例に対応が可能。
◇一般的なので、多くの実績がある。
【メタルコアのデメリット・リスク】
◆歯より硬い材質のため、くさび効果により歯が割れる可能性がある。
◆歯ぐきとの境目が黒ずんでしまう可能性がある。
◆金属アレルギーの原因となる可能性がある。
レジンコア(プラスチック)
レジン(プラスチック)で作るコアで、色が白く、審美的にキレイなのが特徴です。
メタルコアに比べると強度・接着力が劣るので、強い力がかかる奥歯や、虫歯が大きくて歯質が十分に残っていない歯には使用できないケースがあります。
比較的小さな虫歯や、力がかかりにくい前歯部などに使用されることの多い材質です。
【レジンコアのメリット】
◇保険が適応されるので費用が安価。
◇見た目が白くキレイ。
◇金属が溶け出して歯ぐきが変色する・金属アレルギーの原因になるといった心配がない。
◇メタルコアに比べると、柔軟性があり歯根破折のリスクが低い。
【レジンコアのデメリット・リスク】
◆強度面でメタルコア・ファイバーコアに劣る。
◆審美性でファイバーコアに劣る。
◆歯の状態や部位によって使用できない場合があり、適応ケースは限られる。
ファイバーコア(ファイバーポスト):自費診療
グラスファイバー(ガラス繊維強化樹脂)を用いたコアで、強度・審美性に優れた材質です。
従来のメタルコア・レジンコアの欠点を解消することができるのがファイバーポストです。
【ファイバーコアのメリット】
◇適度にしなる性質があり、歯根破折が起こりにくい。
◇強度が高く、丈夫な材質。
◇見た目が白く、光の透過性があるため、白いかぶせ物をした際に非常にキレイ。
◇金属が溶け出して歯ぐきが黒ずむ・金属アレルギーの原因になるといった心配がない。
【ファイバーコアのデメリット・リスク】
◆保険が適応されないため、保険診療と比較すると費用が高くなる
◆審美性でファイバーコアに劣る。
◆歯の状態や部位によって使用できない場合があり、適応ケースは限られる。
追記:
2016年1月よりファイバーコアが健康保険適応になりました。
保険診療でファイバーコアを入れられるようになりましたが、保険が適応されるためには「歯を削る部分が少ないこと」が条件として必要であり、適応が難しい場合が多いです。
もちろん、ご提供可能な場合はご提案いたしますのでお気軽にご相談ください。なお、ファイバーコアを保険診療にて治療された場合には、被せ物も保険診療からお選びいただきます。