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エナジードリンクが歯に与える影響とは?大切な歯を守るための対策

公開日:

監修:歯科医師 長谷川雄士


仕事や勉強の合間など、もう一踏ん張りしたい時に、エナジードリンクを飲んでいる方は少なくありません。しかし、その爽快感の裏で、「歯」に深刻なダメージを与えている可能性があることをご存知でしょうか?

今回は、エナジードリンクが歯に与える影響と、歯の健康を阻害しないエナジードリンクとの付き合い方をご紹介します。


エナジードリンクが歯に及ぼす「2つ」の大きなリスク

「甘い飲み物は虫歯になる」という認識はよく知られていますが、エナジードリンクの場合は、それ以上に深刻な問題が隠されています。
まずは、成分表に記載されている内容が歯にどのように影響するのか、そのメカニズムを解説します。

大量の砂糖が引き起こす「虫歯」の加速

大半のエナジードリンクには、1缶(約350ml)あたり角砂糖10個分以上に相当する大量の糖分が含まれています。
砂糖の過剰摂取は、全身疾患だけでなく、口腔環境の悪化を招くリスクがあるため注意が必要です。

虫歯菌(ミュータンス菌など)は、この糖分を餌にして「酸」を作り出します。エナジードリンクを少しずつ長時間かけて飲む習慣があると、お口の中が常に酸性の状態に保たれてしまい、歯の表面のミネラルが溶け出す「脱灰(だっかい)」が止まりません。これが結果として、虫歯の直接的な原因となるのです。

pH値が低いことによる「酸蝕症」の恐怖

あまり知られていないのが、糖分以上に厄介な「酸性度(pH値)」の問題です。

歯の表面を覆う最も硬い組織であるエナメル質は、pH5.5以下の環境で溶け始めるとされています。
多くのエナジードリンクは、pH値が2.0〜3.0前後の非常に強い酸性を示します。これは、胃液やレモン汁に近い数値です。

飲み物自体の酸によって直接歯が溶けてしまう現象を「酸蝕症」と呼びます。酸蝕症が進むと、歯が薄くなり、知覚過敏を引き起こしたり、歯の先端が透明に見えたりするようになります。

なぜエナジードリンクは他の飲料より危険なのか

スポーツ飲料やコーラなどの炭酸飲料も酸性ですが、エナジードリンクには特有の性質があります。「添加されている成分が歯へのダメージを増幅させてしまう」ということです。

特に、エナジードリンク特有の「粘り気」や「添加物」には注意が必要です。これらがどのようにして、歯を攻撃するのかを詳しく解説します。

クエン酸などの添加物が歯を溶かす力を強める

まれています。研究論文(米国一般歯科アカデミーなど)によると、スポーツ飲料と比較しても、エナジードリンクはエナメル質を溶かす力が数倍強いとのことです。

クエン酸は、カルシウムと結びつきやすい性質(キレート作用)を持っており、歯の構成成分であるカルシウムを奪い去る力を強めてしまいます。これにより、単なる酸性飲料以上に、歯の構造を脆弱にしてしまうのです。

唾液の減少(ドライマウス)を招く成分の影響

エナジードリンクの主成分の一つである「カフェイン」には利尿作用があります。これにより、体内の水分が排出されやすくなり、お口の中を守る重要なバリアである「唾液」の分泌量が減少します。

唾液には、酸を中和する「緩衝能(かんしょうのう)」や、溶け出した歯を修復する「再石灰化」の機能があります。カフェインによって唾液が減った状態で強酸性の液体を流し込むと、お口の中が自浄作用を失っているためダメージが蓄積しやすくなります。

歯を守りながらエナジードリンクを楽しむための対策

大切なのは、お口の中を「酸性」の状態で放置しないことです。
エナジードリンクも、飲み方を工夫するだけで歯へのダメージを抑えることができるため、以下のポイントを意識してみてください。

ストローを使って接触を最小限にする

最もシンプルかつ効果的な方法のひとつとして、ストローの使用が挙げられます。

ストローを使って飲むことで、エナジードリンクが前歯や奥歯の表面に直接触れる面積を減らし、酸による腐食を物理的に防ぐことができます。

ストローを口の奥の方に入れ、歯に触れにくい角度で飲むのがコツです。ただし、口の中に溜めて味わうように飲むと効果が半減するため、スムーズに飲み込むことを意識しましょう。

飲んだ直後に「水」で口をゆすぐ

エナジードリンクを飲み終えたら、すぐに水やお茶で口をゆすぐ習慣をつけましょう。これにより、歯に付着した糖分や酸を洗い流し、お口の中のpH値を素早く正常(中性)に戻すことができます。

もし、水でゆすぐことができない環境であれば、最後に一口水を飲むだけでも効果があります。「飲みっぱなし」にしないことが、酸蝕症を防ぐ最大の防御策となります。

飲んだ後の歯磨きは「ゆすいでから」

意外かもしれませんが、強酸性の飲料を飲んだ直後にゴシゴシと歯を磨くと、逆効果になる場合があります。歯のエナメル質が酸によって一時的に柔らかくなっているため、その状態で研磨剤入りの歯磨き粉などでブラッシングをすると、表面を微細に傷つけてしまう恐れがあるからです。

まずは水で口をゆすいで酸を中和させ、少し時間を置いてから丁寧に磨くようにしましょう。

歯科検診で早期発見・早期治療を

エナジードリンクによるダメージは、初期段階では自覚症状がほとんどありません。「鏡で見たら歯の先端が欠けてきた」「冷たいものがしみるようになった」と感じる頃には、かなり進行している可能性があります。

定期的な歯科検診は、自分では気づけない微細な変化を察知するために不可欠です。プロの視点から現在のお口の状態を確認してもらいましょう。

酸蝕症や初期虫歯のチェック

歯科医院では、専用の器具やマイクロスコープを用いて、エナメル質の摩耗具合や初期の虫歯をチェックします。エナジードリンクの摂取習慣があることを正直に伝えれば、適切なアドバイスを受けることができるでしょう。

また、定期的に高濃度のフッ素塗布を受けることで、酸に強い歯を作るサポートも可能です。フッ素は再石灰化を促進し、エナメル質を強化するため、酸蝕症の予防に非常に効果的です。

生活習慣に合わせたパーソナルケア

人によって唾液の量や質、歯の硬さは異なります。あなたの口腔内の状態やライフスタイルに合わせたブラッシング指導や、おすすめのケアグッズ(低研磨の歯磨き粉など)の提案を、歯科医師や歯科衛生士から受けることで、長期的な意味で歯の健康を守ることができます。

エナジードリンクと賢く付き合い健康な歯を維持するために

エナジードリンクは、私たちのパフォーマンスを支えてくれる一方で、含有成分である「糖分」と「強酸」が歯に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そのリスクを正しく理解し、飲み方の工夫や適切なセルフケアを取り入れ、歯の健康を維持できるようにしましょう。

もし、最近「歯がしみる」と感じたり、エナジードリンクを毎日飲む習慣があったりする場合は、一度お近くの歯科医院でチェックを受けてみてはいかがでしょうか?

当院では、無料カウンセリングも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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