唇のトラブル…それ、口唇炎かも?症状と原因、今日からできる対処法を解説
監修:歯科医師 長谷川雄士
「なんだか唇がヒリヒリする」
「唇の皮がむけてきて、メイクも食事もつらい」
このような唇のトラブルに悩まされていませんか?
唇は身体の中でも特に皮膚が薄く、皮脂腺がないため、乾燥や刺激の影響を受けやすい部位です。一度荒れてしまうと目立ちやすく、日常生活のストレスにもつながります。
唇がヒリヒリしたり、皮がむけたりという症状がある場合、もしかするとそれは「口唇炎(こうしんえん)」かもしれません。
口唇炎とは、唇に炎症が起こり、乾燥・皮むけ・痛みなどが生じる状態の総称です。
本記事では、歯科医療の視点も踏まえながら、口唇炎の症状・原因・今日からできる対処法と予防策などをわかりやすく解説します。
正しい知識とケアで、つらい唇トラブルから抜け出しましょう。
口唇炎ってどんなもの?
唇のトラブル「口唇炎」とは?
唇全体に炎症が起き、乾燥して荒れたり亀裂が生じたりしている状態のことを「口唇炎」と言います。
唇は角質層が非常に薄く、皮脂によるバリア機能がないため、水分が失われやすくて刺激に弱いという特徴があります。
口唇炎の主な症状
口唇炎では、次のような症状がみられます。
- 唇の乾燥・炎症・ひび割れ
- 皮がめくれる・剥がれる
- ヒリヒリする痛みや違和感
- 赤み・腫れ
- かゆみ
症状が進行すると、唇が大きく腫れたり、唇と皮膚の境目(リップライン)に細かなブツブツが出たりすることもあります。
口内炎・口角炎・口唇ヘルペスとの違い
唇や口周りに起こるトラブルは見た目が似ており、自己判断が難しいです。
代表的な疾患との違いをご紹介いたします。
<口唇炎>
〇主な部位:唇全体
〇特徴:皮が剥ける、腫れ、痛み
<口角炎>
〇主な部位:唇の端
〇特徴:赤み、亀裂、口を開けると痛む
<口内炎>
〇主な部位:口の中
〇特徴:白い潰瘍、触れると痛い、食事などがしみる
<口唇ヘルペス>
〇主な部位:唇、口の周り
〇特徴:ピリピリとした痛み、水ぶくれ
口唇炎は唇全体に症状が出るのが特徴ですが、口角炎などと併発することもあります。症状が長引く場合は、早めの受診が重要です。
口唇炎の原因は日常生活の中にある
口唇炎の原因はひとつではなく、複数の要因が重なって発症することが多いです。
原因① 乾燥
口唇炎の最も代表的な原因として、「乾燥」が挙げられます。
特に、冬場やエアコンの効いた室内では、乾燥して唇の水分が奪われやすいです。
原因② 唇を舐める癖
唇を舐めると一時的に潤ったように感じますが、唾液が蒸発する際に水分が奪われ、逆に乾燥が進んでしまいます。唾液中の酵素も刺激となり、炎症を悪化させる原因となります。
原因③ 接触刺激・アレルギー
口紅やリップクリーム、歯磨き粉、洗顔料、飲食物などによる「接触口唇炎(かぶれ)」が原因で口唇炎になることも少なくありません。
金属アレルギーやアトピー性皮膚炎の影響で発症することもあります。
原因④ 紫外線
顔や腕などと同様に、唇も日焼けします。紫外線による刺激で炎症が起こる「光線性口唇炎」がみられることもあります。
原因⑤ 体調不良・栄養不足
体の内側の状態が唇に現れ、口唇炎になることがあります。ストレスや疲労による免疫力低下、ビタミンB群や鉄・亜鉛不足は、口唇炎の発症・悪化の要因になります。
口唇炎の対処と予防
口唇炎を改善して健やかな唇を取り戻すためには、外側と内側、両面からのアプローチが不可欠です。
対策① 徹底した保湿と保護
ワセリンや低刺激のリップクリームを使用してこまめに保湿し、唇の乾燥を防ぎましょう。継続して行い唇を「守る」意識が重要です。
対策② 刺激を避ける
香辛料、熱い食べ物、喫煙、アルコールは控えましょう。
また接触性口唇炎が疑われる場合は、使用中の化粧品や歯磨き粉を替えてみるのも有効です。
対策③ 紫外線対策
外出時にUVカット効果のあるリップクリームを使用することで紫外線から唇を守りましょう。
対策④ 栄養バランスの改善
皮膚・粘膜の健康に関わるビタミンB2・B6を意識的に摂取しましょう。
ビタミンB2: 納豆、卵、レバー、乳製品 など
ビタミンB6: バナナ、かつお、まぐろ、鶏ささみ など
対策⑤ 舐める癖を意識的にやめる
唇を舐める癖は、症状を長引かせる原因になります。また指で頻繁に唇を触ることも、唇のまわりに雑菌が繁殖する原因となるため、なるべく触らないようにしましょう。
口唇炎かな?と思ったら、早めに医師に相談を
唇の荒れや痛みは、口唇炎の可能性があります。
口唇炎は、乾燥・刺激・生活習慣・体調などが複合的に関与して起こる疾患です。
セルフケアで改善しない場合や、痛み・腫れが強かったり長引いたりする場合は、皮膚科や歯科・口腔外科などの専門医に相談しましょう。適切な診断と治療を受けることで回復は早まります。
また、日頃からの保湿や刺激の回避、体調管理などが再発防止の鍵となります。正しい保湿ケアと内側からの栄養管理を今日から取り入れ、健やかで潤いのある唇を取り戻しましょう。
監修者プロフィール
- 資格・所属学会
- (社)日本口腔インプラント学会
- 愛知インプラントセンター
- 日本歯科医師会
- 静岡県歯科医師会
- 静岡市歯科医師会