ホワイトニングのデメリットと後悔しない秘訣を徹底解説
監修:歯科医師 長谷川雄士
ホワイトニングで歯を白くしたいけれど、ホワイトニングにはデメリットはないのか?と不安を感じて始められない方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、ホワイトニングにはメリットだけではなくデメリットもあり、事前に知っておくことが大切です。
今回は、ホワイトニングのデメリットや注意点、後悔をしないために知っておきたいポイントを詳しく解説します。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングは、大きく分けると2種類あります。オフィスホワイトニングと、ホームホワイトニングです。
オフィスホワイトニングは歯科医院で行うホワイトニングで、歯の表面に付着した色素汚れを落とし、歯自体も漂白して白くします。
歯科医院でのみ使用可能なホワイトニング剤には、過酸化水素や過酸化尿素が配合されており、これらの成分が歯の内部に浸透し、着色物質を分解して白さを引き出します。
一方、市販のホワイトニングアイテムやセルフサロンで行うホワイトニングを、ホームホワイトニングと言います。その多くは酸や研磨剤で歯の表面の汚れを落とすだけで、本来の歯の色を変えることはできません。
歯自体を漂白できるのは、歯科医院で行うオフィスホワイトニングだけです。
ホワイトニングのデメリットとは?
ホワイトニングには多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点も存在します。あらかじめ理解しておかないと施術後に後悔することになりかねませんので、事前に確認しておきましょう。
効果には個人差があり、希望通りにならないことも
ホワイトニングの効果は、もともとの歯の色や歯質、着色の深さなどによって個人差があります。一度の施術で真っ白になるとは限らず、満足できる白さに近づけるためには複数回の施術が必要な場合が多いです。
また、ホワイトニングによって実現可能な歯の白さには限界があります。ご自身が理想としている白さのイメージと現実の差を事前に確認しておくことが大切です。
白さは永久には続かない
ホワイトニングで白くなった歯は、時間の経過とともに色戻りが起こります。一般的に、オフィスホワイトニングは3~6か月、ホームホワイトニングは6か月~1年で色が戻ると言われています。
持続期間にも個人差があり、色の濃い飲食物を多く摂取したり喫煙の習慣があったりすると色戻りが早まる傾向があります。
人工歯や詰め物には効果がない
ホワイトニングは天然の歯にのみ作用します。差し歯や被せ物、レジンの詰め物、ブリッジなどの人工物は白くなりません。そのため、ホワイトニングをすることによって逆に人工物の色が目立つ場合があります。もし色が気になるようなら、ホワイトニング後に人工歯の作り替えが必要です。
テトラサイクリン歯の改善には限界がある
歯が形成される時期にテトラサイクリン系抗生物質を服用したことで、歯が変色したり表面に縞模様ができたりすることがあります(テトラサイクリン歯)。
象牙質に色素が沈着しているため、ホワイトニングだけでは十分な効果を得にくい場合が多いです。ある程度白くなることは期待できますが、完全に縞模様が消えるわけではありません。
施術後に知覚過敏が起こる可能性がある
ホワイトニングで使用する薬剤の作用で、施術後に一時的な知覚過敏が起こることがあります。通常は1~2日で治まりますが、もともと知覚過敏の方や歯にひびがある方は症状が出やすい傾向があるので注意が必要です。
また、薬剤が歯茎に触れてヒリヒリしたり白っぽくただれたりすることもありますが、こちらも数日で改善します。
妊娠中・授乳中の施術は避けるべき
妊娠中や授乳中にホワイトニングをして、身体に大きな影響があったという報告はありませんが、薬剤の安全性は完全には保証されておりません。
また、長時間同じ体勢でいることが母体に負担となる恐れもあるため、妊娠中・授乳中の施術は避けておくのが良いでしょう。
持病や口腔内の状態によっては施術できない場合も
虫歯や歯周病は、ホワイトニングの薬剤で症状が悪化する恐れがあります。そのため、ホワイトニングは治療を終えてから行なった方が良いです。
また、無カタラーゼ症の方や光線アレルギーの方は、ホワイトニングができない、もしくは別の方法を選ぶ必要があります。
18歳未満の方も、歯の発達段階の問題から施術を控えることが推奨されています。
ホワイトニングのデメリットやリスクを軽減するには?
ホワイトニングで後悔しないためには、事前にデメリットやリスクを理解して、適切な対策を取ることが重要です。
自分に合った方法を選ぶ
歯科医院にて行う即効性のあるオフィスホワイトニング、自宅でじっくり行うホームホワイトニング、その両方を併用するデュアルホワイトニング。それぞれに特徴があるので、希望の白さ、予算、スケジュールに合わせて歯科医師に相談して選択するようにしましょう。
事前に検診と治療を必ず行う
ホワイトニングを始める前に、虫歯や歯周病がないか必ず歯科医院でチェックしてください。問題があれば、先に治療を済ませておきましょう。
効果の目安と費用を確認しておく
理想の白さになるまでに何回くらい通う必要があるのか、総額でいくらかかるのかを事前に把握しておくと安心です。「一度で真っ白に」ではなく、段階的に白さを高めるイメージを持つと良いです。
ただし、効果には個人差があるため、実際に行なってみて予定が変わることがあると理解しておきましょう。
施術後は飲食物に注意する
ホワイトニング後は、一時的に歯が着色しやすい状態になります。施術後48時間はカレーやコーヒー、赤ワインなど色の濃いものを避け、白米やうどんなど色移りしにくい食品を選ぶと白さが長持ちします。
人工歯はホワイトニング後に作り直すのがおすすめ
人工歯がある場合は、ホワイトニングで白くなった天然歯の色に合わせて作り直すと、自然な仕上がりになります。
事前の正しい知識がホワイトニングの後悔を防ぐ
ホワイトニングは歯を白くする有効な方法ですが、効果には個人差があること、永久ではないこと、人工歯が白くならない、などいくつかデメリットがあります。
こうした基礎知識がない状態でホワイトニングを行うと「思っていたのと仕上がりが違った」という後悔に繋がりかねません。そのため、正しい知識を持ち、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
歯科医院では、その方のご希望や生活習慣などを踏まえて最適な方法をご提案することができます。後悔のないホワイトニングをするために、気になる方はまず歯科医院で相談してみてください。
監修者プロフィール
- 資格・所属学会
- (社)日本口腔インプラント学会
- 愛知インプラントセンター
- 日本歯科医師会
- 静岡県歯科医師会
- 静岡市歯科医師会
 
		