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筋トレ中の歯のダメージを防ぐ最適なマウスピース活用法とは?

公開日:

監修:歯科医師 長谷川雄士


近年、筋トレやスポーツを習慣にしている方が多くなりました。しかし、トレーニングで身体を鍛えているその時、あなたの歯には想像以上の負荷がかかっていることをご存知でしょうか?

高重量を持ち上げるとき、人は無意識のうちに歯を強く食いしばります。
実はその時に歯にかかる力は体重の約3倍とも言われており、歯のすり減り、ヒビ割れを引き起こす原因になります。

しかし、ご安心ください。
筋トレ時に適切なマウスピース(スポーツ用マウスガード)を使うことで、歯を守りながら効果的なトレーニングを行うことができます。

本記事では、
✔ 筋トレと歯の食いしばりの関係
✔ マウスピースの効果(保護+筋力アップ)
✔ 種類と選び方
✔ トレーニング時の注意点
✔ 正しい使い方とお手入れ

これらについて、専門家の視点でわかりやすく、実践しやすく解説します。


筋トレで歯はダメージを受ける ― 食いしばりの隠れたリスク

筋トレをしていると、瞬間的に大きな力を出すことがあり、ほとんどの人が気づかないうちに歯を強く食いしばっています。
特に、

・デッドリフト
・ベンチプレス

などの高重量トレーニングをするときには、普段の生活では起こりえない数百kg単位の力が奥歯に集中すると言われています。

食いしばりが引き起こす主なトラブル

食いしばりが原因で起こるトラブルについてご紹介いたします。

  1. 歯のすり減り(摩耗)…歯の表面のエナメル質が削れます。これが原因でしみるようになることもあります。
  2. 歯の破折(ヒビ・割れる)…歯にひびが入ったり割れたりすることがあります。特に、過去に虫歯治療をしている歯はもろくなっていて割れやすいです。
  3. 咬合痛・顎関節症…食いしばりによって顎関節・筋肉にも負担が集中し、咬合痛や顎関節症が起きることがあります。

筋トレで身体を鍛えてパフォーマンスの向上を目指すのはとても有意義ですが、その一方で、歯に深刻なダメージが蓄積している可能性があることを知っておく必要があります。

マウスピースがもたらす2大メリット

筋トレや運動中にマウスピースを使用すると

① 食いしばりの強い力から歯を守る
② 筋力が上がる、パフォーマンス向上


というメリットがあります。

①食いしばりの強い力から歯を守る機能

  • 食いしばりによる歯の摩耗や破折を防ぐ
  • 舌や唇に歯があたって裂傷になることを防ぐ
  • 歯肉や顎関節の負担を軽減する

特に、最も強い力がかかる奥歯の摩耗や破折は、マウスピースによって大幅に軽減できます。

筋力・パフォーマンスアップ効果

マウスピースを使用することで、

  • 噛み合わせが安定する
  • 姿勢とバランスが改善する

といった効果が得られます。その結果、全身に力が伝わりやすくなったり、踏ん張りがきいたり、集中力が向上したりといった、筋トレのパフォーマンスを向上させる作用を期待できます。
多くのアスリートが競技中にマウスピースを装着する理由はここにあります。

歯科医院で作るマウスピースは「噛み合わせ」まで確認して調整しているので、高重量のトレーニングのように大きな力が加わる際に特に効果的です。

マウスピースの種類

一言でマウスピースと言っても、様々な種類があります。
筋トレやスポーツの際の歯へのダメージ軽減を目的としている場合は、「スポーツ用マウスガード」を使用しましょう。

スポーツ用マウスガード

① 歯科医院で作るオーダーメイド
歯科医院で型を採って作製するタイプのマウスピースで、以下のような特長があります。

  • パフォーマンス向上効果が高い。
  • フィット感が良い
  • 呼吸しやすい
  • 喋りやすい
  • 外れにくい
  • 噛み合わせ調整が可能
  • 運動強度に合わせて素材を選べる

費用:1〜5万円(自費)

②自宅で型取りして作るタイプ
自分で型取りをするタイプです。郵送でやり取りをするタイプもあります。手軽ですが、歯科医院で作製するものに比べて精度が落ちます。

③市販の既製品
安価に購入可能です。しかし、形・サイズが合わない場合、効果は激減します。

矯正用のマウスピース(インビザライン等)との違い

矯正用マウスピースは「歯を動かす装置」であり、歯にかかる衝撃に耐える素材・設計ではありません。
ランニングや軽いトレーニング をするときに矯正用マウスピースを装着することは、問題ありません。しかし、高重量トレーニングや格闘技、サッカーやバスケなどの高負荷・接触がある際に装着していると、破損してしまう可能性があります。そのため、矯正用マウスピースとスポーツ用マウスガードの使い分けが必要です。

筋トレ時の注意点

筋トレ時にマウスピースを使うことは基本的には有効ですが、以下の点には注意が必要です。

顎の筋肉が発達しすぎる可能性

噛む力を使いすぎた結果、咬筋が肥大するという指摘もあります。
ただし、これは、噛み合わせの位置がずれてしまっていたり、歯に合っていなかったりするマウスピースが原因であることが多く、オーダーメイドで噛み合わせを調整すれば問題はほぼ起こりません。

マウスピースの噛み合わせチェックは必須

噛み合わせがずれたマウスピースを使用していても効果は得られません。
もし、自分で型取りするものや市販品を使っている場合は、歯科医院でマウスピースの状態をチェックすることをお勧めいたします。
また、歯科医院で作製したものに関しても、定期的に状態を確認するようにしましょう。

効果を維持するための正しい使い方・お手入れ方法

【使用時の注意】

  • 高負荷トレーニング時のみ装着する
  • スポーツ用と矯正用は使い分ける
  • 定期的に歯科でフィット感をチェックする
  • 寿命の目安は6〜12ヶ月

【清掃・保管のポイント】

  • 使用後は水洗いする
  • 乾燥させて専用ケースで保管する
  • 熱湯は厳禁(変形してしまう)

清潔に保つことと保管方法はとても重要です。怠ると、虫歯や口臭の原因になります。

歯科医院で作るスポーツ用マウスガードがお勧め

筋トレの効率を最大限に引き出すためにも、歯を守るマウスピースの使用は必須と言えるでしょう。
そして最も効果を発揮するのは、歯科医院で作るオーダーメイドのスポーツ用マウスガードです。

「トレーニングやスポーツのパフォーマンスを上げたい」
「歯をしっかり守りつつトレーニングをしたい」

もし、あなたが日頃からトレーニングやスポーツを習慣にされていて、今はマウスピースを使用していないのなら、歯や顎関節に大きな負荷をかけてしまっているかもしれません。

あなたのトレーニングスタイルに最適なマウスピースを作ることをおすすめします。
当院でもマウスピースの作成は可能ですので、お気軽にご相談ください。

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