歯石取りの頻度は3ヶ月ごとがベスト。推奨される理由とは?
監修:歯科医師 長谷川雄士
最後に歯科医院で歯石を取ってもらったのはいつかを覚えていますか?定期的に通っている方もいれば、「もう何年も行っていない」という方もいるかもしれません。実は、お口の中に特に問題が感じられない限り、歯科医院には行かない方が多いです。でも、定期的な歯石取りがどれほど重要かご存知でしょうか。今回は、お口の中の健康を保つために欠かせない定期的な歯石取りの必要性と理想的な通院頻度についてお話ししていきます。
【目次】
1.歯石はなぜ付着するのか?
1-1歯石ができる原因
1-2歯石を放置するとどうなる?
2.歯科医院で歯石取りを行う理由
2-1歯磨きでは歯石は取りきれない
2-2歯科衛生士が行うプロフェッショナルケア
3.歯石取りのために、どれくらいの頻度で歯科医院を受診すればいい?
3-1 3ヶ月に一度は専門的なケアを受けることをお勧めします
3-2保険が適用されるのか?費用はどのくらいかかるのか?
3-3歯石予防のためのブラッシング指導が受けられます
4.まとめ
歯石はなぜ付着するのか?
歯石ができる原因
歯石ができる主な原因は、プラーク(磨き残し)です。初期段階ではまだ歯ブラシで取り除くことができます。しかし、十分に取り除けなかったプラークが10日から1週間ほどお口の中に残ってしまうと、唾液中の成分と結びついて歯石へと変化してしまいます。
そして、一度歯石になると歯ブラシだけでは取り除くことができません。
歯石を放置するとどうなる?
歯石をそのままにしておくと、いろいろな問題が生じます。
- 細菌が増殖し、虫歯や歯周病のリスクが高くなる
- 口臭の原因になる
歯石は細菌の固まりであり、放置するメリットは一切ありません。虫歯や歯周病のリスクが高くなるだけでなく、糖尿病、心臓病、肺炎、脳梗塞、早産などの全身疾患への影響も考えられます。
さらに、歯周病が進行すると、目に見えない部分にも歯石が付着し、歯周ポケットが深くなります。歯石が付着した表面はざらざらしており、さらにプラークが付着しやすくなるので、定期的に取り除くようにしましょう。
歯科医院で歯石取りを行う理由
歯磨きでは歯石は取りきれない
一度歯石が付着すると、ご自身でブラッシングしても取り除くことは困難です。実は、ご自身で歯石を取り除こうとする行為は、歯茎を傷つけるリスクがありとても危険です。プラークや歯石が付着するのは、ブラッシングが適切に行われていないからかもしれません。歯科医院にて定期的にみてもらうことをお勧めします。
歯科衛生士が行うプロフェッショナルケア
いくら丁寧に磨いても、完璧に磨き残しがない状態にすることは難しいものです。そのため、歯の健康を守るためにはプロの手を借りることが必要です。歯科衛生士は、専門的な器具と知識を駆使して個々人に合わせたケアを行います。定期的にプロフェッショナルケアを受けることは、虫歯や歯周病を予防する重要なステップです。
歯石取りのために、どれくらいの頻度で歯科医院を受診すればいい?
3ヶ月に一度は専門的なケアを受けることをお勧めします
どのくらいの頻度で歯科医院での専門的なケアを受けるべきか、という疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。たとえ一度歯石を除去しても、その後も日々のブラッシングだけでは完全にケアすることはできません。また、お口の中の細菌は、個人差はありますが約3ヶ月で増殖すると言われています。そのため、歯科衛生士の手によるプロフェッショナルケアは、3か月に一度くらいのペースで受けられることをお勧めいたします。
保険が適用されるのか?費用はどのくらいかかるのか?
歯石除去は、保険適用される治療です。これは、歯石が歯周病の原因の一つと考えられているためです。初めて歯科医院を訪れる際には、「初診料」、「レントゲン撮影」、そして「虫歯や歯周病の検査の費用がかかります。これらの検査費用を含めた合計額は、患者様の自己負担が3割の場合、約3,000円から3,500円程度です。
歯石予防のためのブラッシング指導が受けられます
プラークと歯石は、虫歯や歯周病を引き起こす主な原因です。これらを効果的に除去することが予防に繋がります。人によって歯並びは異なり、ブラッシングの方法も様々です。そのため、歯科衛生士が一人ひとりの状況に合わせてブラッシング方法や歯ブラシの選び方を指導することが、歯石の付着を防ぎ、健康なお口の中の環境を維持する上で非常に重要です。
まとめ
毎日念入りにブラッシングしていても、磨き残しが生じることはよくあります。ついてしまった歯石を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、3か月に1度は歯科衛生士によるプロフェッショナルケアを受けることがおすすめです。
もしも最近歯石取りを受けていない方は、この機会にぜひ当院へご相談ください。あなたのご来院を心よりお待ちしております。