舌苔が白い時に考えられる病気とは?舌苔の色からわかる体調不良
監修:歯科医師 長谷川雄士
舌の状態は、実は体調の変化を敏感に反映しています。特に、舌の表面に現れる「舌苔(ぜったい)」の色や質感は、体の内側で起きている不調を示す重要なサインです。毎日舌をチェックする習慣を身につけて、体調不良の早期発見、対策に役立てましょう。
【目次】
1.舌苔の色は体のサイン。舌が白くなる理由
1-1舌苔の色は白だけじゃない
2.舌苔の色で健康状態をセルフチェック
2-1舌苔が白い
2-2舌苔が黄色い
2-3舌苔が黒い
3.色だけではなく、舌の状態でも体調不良がわかる
4.毎日鏡を見て舌のチェックをする習慣をつけよう
舌苔の色は体のサイン。舌が白くなる理由
舌の表面にはわずかな凸凹があり、お口の中の皮膚が剥がれた垢や食べカス、唾液の成分、細菌、そして他の微生物が混じり合ったものが付着して白い苔上の層を形成することがあります。これを舌苔(ぜったい)と言います。
また、舌には多くの血管が集まっていて、その色や状態から健康状態をうかがい知ることができるほどです。そのため、舌の異常は体の不調のサインとして考えられています。
舌苔の色は白だけじゃない
舌苔はいつも白いわけではありません。実は、舌苔の色は私たちの健康を映し出すバロメーターのようなもので、色が異なる場合は体調の異変を示している可能性があります。舌の色をチェックすることで、体がどのような状態にあるのか、早めに知ることができます。
舌苔の色で健康状態をセルフチェック
毎日鏡を見るとき、舌苔の色もチェックしてみてください。意外と知られていないのですが、思いがけない健康問題を知らせてくれていることがあります。
舌苔が白い
通常、健康な舌はピンク色をしており、うっすらと白い膜が覆っています。しかし、舌の表面が白い舌苔で厚く覆われている場合は、胃腸の調子が悪いか、疲れが溜まっている可能性があります。
舌苔が黄色い
舌苔が黄色く見えるのは、風邪や胃炎などの症状が出ている兆候です。この状態では口臭が強くなることもサインの一つです。
舌苔が黒い
舌苔が黒くなることは珍しく、場合によっては重大な健康問題を示している恐れがあります。このような状態が見られたら、速やかに専門医の診察を受けるようにしてください。
色だけではなく、舌の状態でも体調不良がわかる
舌を見ることで、体内の水分バランスがどうなっているかを知ることができます。舌の表面に亀裂や割れが見られる場合は、水分が不足していると思われます。
水分不足は、不眠や便秘、高血圧や脳卒中のリスクが高まるなど、様々な不調を引き起こすため注意が必要です。
また、舌の縁がギザギザしている場合は、体内での水分の過剰な蓄積を示しています。舌が浮腫み、肥大化してしまうのです。その結果、舌のふちに歯形がつき、ギザギザとした見た目になることがあります。この状態は、新陳代謝の低下を示唆しており、下痢やめまい、慢性的な疲労を引き起こすことがあります。
毎日鏡を見て舌のチェックをする習慣をつけよう
毎日歯を磨く時に、少しの時間を使ってご自身の舌もチェックしてみましょう。舌の状態を観察することで、自覚のない体の変化に気付くことができます。舌の色や形に異変が見られる場合は、早めに専門医に相談することで、大きな病気を未然に防ぐことにも繋がります。
より健康的な生活への第一歩として、今日からでも、この簡単な健康習慣を始めてみてはいかがでしょうか。