自宅でできるホワイトニングの種類と、その効果を最大限に引き出す方法
監修:歯科医師 長谷川雄士
美しい白い歯は、相手に清潔感や好印象を与えます。しかし、歯を白くしたくても、歯科医院へ足を運ぶ時間が取れなかったり費用が気になったりして始められずにいる方もいらっしゃるでしょう。実は、ご自宅で手軽に行えるホワイトニング方法があることをご存じですか?この記事では、自宅での様々なホワイトニング方法と、効果を最大限に引き出すコツをごお話しします。
自宅でできるホワイトニングにはいくつか種類がある
ホワイトニングは、一般的には歯科医院でしか行えないイメージがありますが、実は自宅でも可能です。
自宅でできるホワイトニングには様々な種類があり、歯科医院で行うものに比べて手軽に試してみることができます。それぞれの特徴やメリット、デメリットを詳しくご紹介していきます。
ホワイトニング用の歯磨き粉
家庭で簡単に試せるホワイトニング方法として、専用の歯磨き粉があります。これらはドラックストアやオンラインショップで幅広く取り扱われており、価格も比較的お手頃です。
<メリット>
種類が豊富ですぐに手に入るため、試しやすいのが魅力です。コストも抑えられるため、気軽に始められます。
<デメリット>
市販のホワイトニング用の歯磨き粉は、含まれる成分の濃度が法律で制限されているため、強いホワイトニング効果は期待しづらいかもしれません。効果を実感するまで時間がかかることや、その白さの度合いには個人差があります。また、これらの製品は主に歯の表面の着色やタバコのヤニを取り除くことに焦点を当てています。
歯の消しゴム
「歯の消しゴム」は、歯の表面を優しくこすることで、歯を白く見せるアイテムです。
<メリット>
市販されているため、簡単に手に入れられます。シリコン製のゴムに研磨剤が含まれており、使用して歯の表面をこするだけで歯を明るく見せることが可能です。
<デメリット>
法律でホワイトニング成分の含有量が厳しく制限されているため、目に見える効果を感じるまでには時間が必要です。
また、使い方に注意しないと、研磨剤によって歯の表面を傷つけるリスクがあります。歯の着色やタバコのヤニを取り除く効果はありますが、過度な使用は避けるべきです。
LEDライトでのホワイトニング
LEDライトを使用するホワイトニング方法です。この方法は特に市販の歯磨き粉では効果を感じられなかった方におすすめです。
<メリット>
歯科医院でのホワイトニングと比較するとはるかに低コストで実施可能であり、継続的に使用することで自宅でも効果的に歯を白くすることが期待できます。
<デメリット>
歯科医院で使用される機器ほどの強い効果を得られないことがあります。また、適切な使用方法を守らないと歯や歯茎にダメージを与えるリスクがあるため、正しい使用方法を確認し慎重に扱う必要があります。
ホームホワイトニング
マウスピースを歯科医院で作成し、その後のホワイトニング処理を自宅で行うホワイトニング方法です。
<メリット>
マウスピースは歯科医院で作成しますが、実際の使用は自宅のため、自分の都合の良い時間にホワイトニングが可能です。また、歯科医師や歯科衛生士からしっかりと使用方法について指導を受けることができます。
<デメリット>
専用のマウスピースを作るため、初期費用が市販のホワイトニングキットよりも高くなります。また、効果を得るためには毎日の使用が必要であり、長時間マウスピースを装着し続ける必要があります。
その他
他のホワイトニング方法として、歯のマニキュアがあります。これは、歯の表面に特別な白い塗料を塗ることで瞬時に白さを実現する方法です。
<メリット>
即効性があり、特別なイベント前などすぐに白い歯を手に入れたい場合に最適です。
<デメリット>
歯のマニキュアは歯磨きによって容易に落ちるため効果が一時的であり、塗料の使用が歯の着色を促進することもあるため、長期的なホワイトニングを求める方には向いていません。
最も効果が期待できるのはホームホワイトニング
自宅で行えるホワイトニングの中でも特に効果が高いのが、ホームホワイトニングです。
この方法では、歯科医院で作成したマウスピースと専用の薬剤を使用します。この薬剤は、単に表面の着色やタバコのヤニを除去するだけでなく、歯の内部にまで浸透し、内部からの変色も改善します。通常、約2週間かかり、時間をかけて徐々に歯を白くするため、色の戻りも少ないとされています。
歯科医院で行うオフィスホワイトニングは、高濃度の過酸化水素を使用するため即効性がありますが、定期的な施術が必要で、長期的な白さの維持が難しいというデメリットもあります。
そのため、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを組み合わせた方が、より効果を得ることができます。
ホワイトニングをする上で知っておきたいポイントと注意点
ホワイトニングをする上で、知っておいていただきたいことをお伝えしていきます。
用法、用量を守る
ホワイトニングの薬剤を使用する際は、決められた量を厳守することが大切です。効果が感じられないからといって、自己判断で用法や量を増やすことは避けてください。量が多すぎると予期せぬトラブルの原因になることがあります。安全に効果を得るためにも、指定された用量を守るよう心がけましょう。
詰め物などの人工物は白くならない
ホワイトニングの薬剤は、天然の歯には効果がありますが、詰め物やその他の人工物には浸透しません。そのため、詰め物や人工歯がある場合は、ホワイトニング後の色に合わせて詰め物や被せ物を作り変える必要があります。
知覚過敏
ホワイトニングの薬剤には歯や歯茎に刺激を与える成分が含まれているため、一般的には30分から2時間以内の使用が推奨されています。この時間を超えて使用すると、知覚過敏の症状が強く出ることがあり、快適なホワイトニングを妨げる原因となります。安全で効果的なホワイトニングを実現するためにも、使用時間を厳守しましょう。
その他
ホワイトニング後の飲食には注意が必要です。コーヒーやカレーなど、色の濃い飲食物は避けるようにしましょう。
また、すべての人がホワイトニングを行えるわけではありません。
- 18歳未満の方
- 妊娠中や授乳中の方
- 無カタラーゼ症の方
- 虫歯や歯周病がある方
上記の方がホワイトニングを行うと、予期せぬ問題が発生するおそれがあります。そのため、ホワイトニングを行う際には、必ず歯科医院で歯科医師としっかり相談し、個々の状況に応じた適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
歯の色が気になったら、まずは歯科医院へご相談ください
白く美しい歯は、笑顔に自信を与えてくれます。手軽に始められる方法から長期的に効果を持続させるものまで、さまざまなホワイトニングがあります。ご自身の口内状態に合った方法で、美しい白い歯を目指してみませんか?歯の色が気になる方は、まずは歯科医院で相談してみることをお勧めします。
監修者プロフィール
- 資格・所属学会
- (社)日本口腔インプラント学会
- 愛知インプラントセンター
- 日本歯科医師会
- 静岡県歯科医師会
- 静岡市歯科医師会
