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過剰歯の抜歯手術はなぜ必要?時期や麻酔もわかりやすく解説!

公開日:

【監修:歯科医師 長谷川雄士


通常生えてくる歯の本数よりも多く存在している歯のことを、過剰歯と言います。過剰歯は珍しいものではありません。日本人全体の約3%の人に見られ、放置していると手術による抜歯が必要なケースもあります。この記事では、過剰歯の抜歯手術が必要になるケースや、手術の時期・方法・麻酔について、わかりやすく解説します。


手術が必要となる過剰歯とは?

過剰歯は、歯の芽(歯胚)が余分にできたり、二つに分かれたりすることが原因であると考えられています。特に、上の前歯の間にできる「正中過剰歯」がよく知られています。
すべての過剰歯に抜歯や手術が必要なわけではありません。対象となるのは、主に次のようなケースです。

  • 顎の骨や歯茎の中に埋まっている(埋伏過剰歯)
  • 永久歯の萌出を妨げている
  • 周囲の歯にダメージを与えている
  • 歯並びや噛み合わせに悪影響を与えている
  • 嚢胞ができている
  • 逆方向に向かって生えている逆性過剰歯

逆性過剰歯や歯茎の中に横向きで埋まっている水平埋伏歯は、ほとんど自然に生えてきません。埋まったまま存在していることで問題が起きるおそれがあったり、過剰歯の周囲の歯や歯茎に悪影響が及んだりする場合は、手術によって抜歯する必要があります。

抜歯手術の時期はいつが適切?

過剰歯が見つかるのは、永久歯への生え変わりが始まる6〜12歳頃が多く、学校健診や歯科受診時のレントゲンで判明することが一般的です。
手術の時期の判断基準は以下のとおりです。

  • 順正過剰歯(まっすぐな向きに生える):自然に生えてくることがあるため、経過観察のうえで抜歯。
  • 逆性過剰歯(逆向き・深く埋まっている):永久歯の成長を妨げる前に早期対応が理想的。

一般的に、過剰歯の抜歯では局所麻酔を行います。小児の局所麻酔手術の目安は5歳以降です。お子さまの年齢が低すぎたり、抜歯が困難な位置にある場合は、お子さまの成長度合いや矯正の進行状況を見ながら時期を調整していきます。

また、成人になって過剰歯が見つかることもあります。その場合は骨が硬くなっており、手術の難易度が上がることがあるため注意が必要です。

手術方法と麻酔について

過剰歯の抜歯手術は「過剰歯抜去術」と呼ばれ、通常は局所麻酔で日帰り手術として行われます。

<手術当日の基本的な流れ>

  1. 局所麻酔を注射
  2. 歯肉を切開
  3. 骨を削って歯を露出
  4. 歯を抜去
  5. 縫合して終了

歯が完全に埋まっている場合、手術時間は30分〜1時間程度かかることもあります。術後には痛み止めや抗生剤が処方され、1週間ほどで抜糸を行います。

全身麻酔が選ばれるケース

以下のようなケースでは、全身麻酔が選ばれることがあります。

  • 小さなお子さまで恐怖心が強く、治療協力が難しい
  • 歯の埋まっている位置が深く、処置に時間がかかる
  • パニック障害や知的障害など、局所麻酔では対応が難しい
  • 持病(高血圧・糖尿病・心疾患など)がある

全身麻酔は専用設備のある医療機関で行われ、安全性の高い方法です。抜歯後の体調管理のために、入院を勧められることもあります。

費用は?保険は適用される?

過剰歯の抜歯は健康保険適用です。局所麻酔で行う日帰り手術の場合、3割負担で約3,000円〜5,000円程度(薬代など別途)です。全身麻酔や入院が必要なケースでは、事前の検査なども含めると保険適用でも数万円になることもあります。

過剰歯への対応は適切な診断が重要

過剰歯は誰にでも起こり得る症状で、特にお子さまに多く見られます。すぐには問題にならないこともありますが、放置すると永久歯の発育や歯並びに悪影響を及ぼしかねません。

「歯がなかなか生えてこない」「歯並びが気になる」「前歯の隙間が閉じない」などの症状があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。レントゲン検査を受けて、過剰歯の有無と治療の必要性について確認してみることをおすすめします。

歯科医院では、過剰歯の正確な診断と、年齢・状態に合った治療のご提案を行います。お気軽にご相談ください。

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