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市販のホワイトニング用の歯磨き粉は有効か?期待できる効果と使い方のコツ

公開日:

監修:歯科医師 長谷川雄士


歯の黄ばみや変色は、見た目の印象に大きな影響を与えます。市販のホワイトニング用歯磨き粉を使って歯を白くできたら、自宅で気軽に始められていいですよね。実際、どの程度の効果が期待できるのでしょうか?今回は、市販のホワイトニング用の歯磨き粉の効果や使い方についてお伝えしていきます。

【目次】
1.歯の色が変わる理由
 1-1歯の表面の着色
 1-2歯自体の変色
2.ホワイトニング用の歯磨き粉は着色対策に効果的
3.ホワイトニング用の歯磨き粉の使い方
4.歯の色の原因を確かめてからの使用をお勧めします

歯の色が変わる理由

歯の色が変わる理由には、主に二つの要素があります。一つは食品や飲み物などが原因の「外因性」の変色(着色)で、もう一つは、怪我や病気などによる「内因性」の変色です。これらの違いについて、詳しくご説明します。

歯の表面の着色

歯の色自体が変色したのではなく、歯の表面に色素沈着して歯の色が変わって見える状態です。着色には、私たちが普段何気なく口にしている食べ物や飲み物が密接にかかわっています。特にコーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなどの色素が強い食品は、歯の表面に付着しやすく、時間が経つにつれて色素が蓄積して着色汚れになってしまうのです。さらに、喫煙者の場合は、タバコのヤニも歯の黄ばみの一因となります。
これらの食べ物や飲み物を摂取した後には、歯をブラッシングするなどして、すぐに着色物質を落とすことが重要です。

歯自体の変色

内因性の変色は、歯自体もしくはその内部から起こります。このような変色の背後にはいくつかの原因があります。

・虫歯の進行による根管治療
虫歯が進行し、神経を取る処置を行った歯は、脆くなって変色することがあります。

・薬剤の影響
歯の発育期にテトラサイクリン系抗菌薬を使用した場合、永久歯の色に影響を与えることが知られています。

・外傷による変色
歯への打撃などの外傷が原因で、歯の内部構造に損傷が生じ、色が変わることがあります。

・エナメル質形成不全症
歯の表面のエナメル質が正常に形成されていない場合、色素が深く浸透しやすくなります。

・フッ化物の過剰使用
過剰なフッ化物使用は、フッ素症を引き起こし、歯に白い斑点や変色を生じさせることがあります。

・加齢
歯のエナメル質の内部には象牙質があります。象牙質はもともと黄色いのですが、年齢を重ねるにつれてその黄ばみは濃くり、エナメル質が薄くなることによって色が透けて見えることがあります。

これらはホワイトニング用の歯磨き粉では改善が難しく、歯科医師との相談のもとで専門的な治療が必要となります。

ホワイトニング用の歯磨き粉は着色対策に効果的

ホワイトニング用の歯磨き粉には、歯の表面に付着した汚れを取り除き、見た目を白くする効果があります。しかし、歯自体が変色している場合は、歯磨き粉では白くすることができません。主に効果を発揮するのは、コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレー、タバコのヤニなど、日常生活での飲食物による表面の着色汚れです。内部からの変色を改善するには、歯科医院でのホワイトニング処置が必要です。自分の歯の変色の原因によって最適な改善方法が異なるため、歯科医師と相談をすることをおすすめします。

ホワイトニング用の歯磨き粉の使い方

多くのホワイトニング用歯磨き粉には研磨剤が含まれており、過度の使用でエナメル質が削れて歯が傷つくリスクがあります。これにより、着色がつきやすくなり、知覚過敏の症状が強まることもあるのです。使用前には成分をよく確認し、週に1〜2回の使用を心がけましょう。
効果の現れ方には個人差があります。早い方で数日から2週間で変化を感じますが、効果が出るまで1ヶ月以上かかることも。ですから、根気よく続けることが大切です。
また、日常生活で歯の着色を防ぐためには、着色しやすい飲食物の摂取を控える、こまめに歯磨きをする、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるなどが効果的です。プラークも歯石や着色の原因になるため、定期的なブラッシングと歯科医院でのケアで、歯の表面を清潔に保つようにしましょう。

歯の色の原因を確かめてからの使用をお勧めします

ホワイトニング用の歯磨き粉には着色を落とす効果がありますが、変色の原因によっては効果を感じられず、かえって歯の表面を傷つけてしまうことがあるため、慎重に使う必要があります。ご自身の歯の変色が表面の「着色」によるものなのか、それとも「変色」によるものなのかを正確に判断することが大切です。ご自身でお口の中を見るだけではわかりづらいため、歯の色が気になったらまずは歯科医院で相談するようにしましょう。

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