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舌小帯に手術が必要な場合とは?「舌小帯短縮症」について

最終更新日: 公開日:

監修:歯科医師 長谷川雄士


「舌小帯短縮症」をご存知ですか?舌の裏側に付着している「舌小帯」が短いことにより、舌の動きが制限されてしまい、発音や食事に支障が出ることがあります。この記事では、「舌小帯の役割」や、「舌小帯の手術が必要になるケース」についてわかりやすく説明します。「舌小帯短縮症」は早期発見と適切な処置がとても大切なので、ぜひ参考になさってください。

【目次】
1.舌小帯の異常「舌小帯短縮症」とは?
2.舌小帯短縮症の治療方法
 2-1経過観察を行う場合
 2-2手術が必要な場合
 2-3放置するリスク
3.舌小帯手術についてよくあるご質問
4.舌小帯異常は早期発見が大切!乳児期から定期検診を

舌小帯の異常「舌小帯短縮症」とは?

舌小帯とは、舌の裏側から前歯の付け根にかけてのスジのことです。このスジの長さには個人差が見られ、スジが短い状態を「舌小帯短縮症」と呼びます。「舌小帯短縮症」の場合、舌を前に出すと、短い舌小帯が引っ張られて舌がハート型に見えることから、「ハート舌」と言われることがあります。
舌小帯短縮症は、主に先天的な要因が関係しています。症状の程度によって、軽度、中度、重度の三段階に分類されます。舌小帯短縮症は乳児がミルクをうまく吸えなかったり、成長するにつれて発音障害を引き起こしたりする原因になることもあります。そのため、早期発見と適切な対処が大切です。

舌小帯短縮症の治療方法

舌小帯短縮症の治療方法は、患者さんの年齢や症状の程度によって異なります。治療方法についてご説明します。

経過観察を行う場合

舌が口の中で上方向に半分以上動かせる場合は「軽度」の舌小帯短縮症です。この状態では、舌の先端を上顎や横方向につけることができます。日常生活で特に問題がなければ、治療の必要はなく、経過観察することが一般的です。将来的に問題かどうかを定期的に確認しながら、必要に応じて対応をします。

手術が必要な場合

発音や食事に影響が見られる場合や、舌を前に出したときに舌がハート型になるような舌小帯短縮症の兆候があると歯科医師が判断する場合は、将来的な問題を防ぐために舌小帯の手術を提案させていただくことがあります。手術を行うことで舌の動きが改善されます。

放置するリスク

舌小帯短縮症を放置すると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

・発音障害
舌小帯短縮症による発音障害は、特に「さ行」「た行」「ら行」の発音に影響を与えることがあります。これは、舌の動きが制限されるため、これらの音を正確に発音するのが困難になるからです。具体的には、舌が上顎にしっかりと接触しないことで、音が不明瞭になります。

・授乳や食事への影響
赤ちゃんがミルクを飲む際に、舌がうまく動かせないため、吸引が十分に行えないことがあります。この場合、必要な栄養を取り込むのが難しくなるため発育に影響が出てくる可能性もあります。また、舌の動きが制限されることにより、食べ物を口の中で効率的に動かして均等に細かくすることが難しく、消化不良を引き起こすことがあります。このため、食事の際には特に注意が必要です。

・歯並びへの影響
舌小帯短縮症では、舌が正常な位置に保てず、通常よりも下に位置することが多いです。そのため、食べ物や飲み物を飲み込む際に舌を前方に押し出す動きが強くなることがあります。この動きが習慣になっていると、歯に不自然な力がかかり、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。

舌小帯手術についてよくあるご質問

Q1. 舌小帯手術は痛みがありますか?
A:舌小帯手術では、まず舌に局所麻酔を行いますが、特に幼いお子さんの場合、麻酔の時にじっとできないことがあるため、状況によっては全身麻酔を行うことがあります。手術中は麻酔の効果で痛みを感じることはありません。しかし、術後に麻酔が切れた後は手術した部分に痛みを感じることがあります。この場合、痛み止めを服用していただくことで症状が軽減できます。

Q2.手術した後の食事制限はありますか?
A:特に食事の制限はありません。ただし、術後は傷口が残っているため、刺激の強いものや硬いものは控えましょう。食事の際は、柔らかい食べ物を中心にしていただくことをお勧めします。

Q3.手術費用は保険がききますか?
A:手術は保険適用で治療を受けることが可能です。

Q4.手術後も通院が必要ですか?
A:手術の翌日には傷口の確認を行います。その1週間後に抜糸を行うため再度来院していただく必要があります。また、機能回復や再癒着防止のために訓練を行なう場合は、さらに通院が必要です。

Q5.手術をしたら発音は改善されるの?
A:手術によって舌が動く範囲を広げることができますが、それだけでは発音障害が改善されるとは限りません。舌小帯短縮症の方は、舌の動きが長期間制限されていたことによって舌の筋力が弱まっており、適切に動かすことが困難な場合があるのです。したがって、手術後には機能訓練を行う必要があり、これにより舌の筋力を強化しながら、正しい動きをサポートします。

舌小帯異常は早期発見が大切!乳児期から定期検診を

舌小帯異常は、お子さんの健やかな成長に影響を及ぼす可能性があります。定期的にお子さんに舌をベーと出してみてもらってその形を確認するなど、異常を早期に発見し対処することが重要です。食事時に飲み込みにくさを感じたり、発音が不明瞭だと感じたりするなど、何か異常を感じたら、早めに歯科医院を受診していただくことをおすすめします。

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