安心安全のインプラント治療のためのサージカルガイド
最終更新日:
公開日:
インプラント治療をより安全に進めるためには、適正な位置に正確にインプラントを埋入することが重要となります。
その実現のために使用されるのが「サージカルガイド」と呼ばれる医療器具です。
今回はサージカルガイドとはどのようなものか、詳しくご紹介したいと思います。
【目次】
需要が高まる一方で増えているインプラントのトラブル
綿密な治療計画を立てていないことがトラブルの原因
インプラントの安全性を確立するサージカルガイド
歯科用CTで正確かつ精密な情報を得る
立体画像上でインプラントの埋入位置や方向をシミュレーション
シミュレーションを元にサージカルガイドを作製
ひかり歯科ではサージカルガイドによる精密な手術を行います
需要が高まる一方で増えているインプラントのトラブル
見た目や咬み心地などを天然の歯に近い状態にまで回復できるインプラントは、「第2の永久歯」という呼び声も高くなっています。
しかしその需要が高まる一方で、インプラントに関するトラブルが増えてきていることも確かです。
せっかくインプラントにしたのにうまく咬めない、歯並びがおかしい、歯磨きがしづらいなど、高額な治療を払っているからこそ裏切られた時の失望感は大きくなります。
さらにもっと深刻なのは、インプラント後に痛みが取れない、しびれがあるなどの後遺症が残ってしまったケースです。
このようなインプラントのトラブルの原因の多くは、治療前の事前準備の不備によるものが多いといわれています。
綿密な治療計画をたてていないことがトラブルの元となる
インプラントは歯ぐきの下にある歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯をかぶせていく治療法です。
インプラントを安定させるためには、まずインプラントを維持するのに必要な骨量が必要となります。
人工歯根を埋め込む場所に十分な骨の厚みや幅があるか、この点をきちんと把握しなければ、インプラントが定着せず、早期に脱落する可能性が高くなります。
またインプラント手術で最も注意を払わなければならないのが、歯槽骨に人工歯根を埋めるための穴をドリルであけていく作業です。
このときドリルを入れる位置や方向を間違えると、インプラントが予定とは違う場所に埋め込まれたり、斜めに傾いた状態で埋め込まれたりしてしまいます。
その結果「うまく咬めない」といったトラブルを招いてしまうのです。
さらに下顎の骨の中には大きな血管や神経が、上顎には上顎洞と呼ばれる空洞が存在しています。
このような重要な組織の位置を正確に把握しなければ、術中にドリルで傷つけてしまい後遺症が残ることになってしまいます。
以上のようにインプラント治療で発生するトラブルの多くは、事前に精密な検査をおこなわず、十分な治療計画も立たないまま行き当たりばったりで治療を進めた結果といわざるをえません。
インプラントの安全性を確立するサージカルガイド
インプラント治療を安全におこない、また予後を良好なものにするために最も重要なのが、インプラントを埋入する適正な位置や方向の決定です。
さらに実際のインプラント手術では、事前に設定した位置にドリルを合わせて穴をあけていく必要があります。
サージカルガイドは、インプラントを埋入する正確な位置を把握するための「ものさし」です。
実際の手術では患者様のお口にサージカルガイドを装着し、ガイドの目印にそってドリルを挿入し、顎の骨に穴をあけていきます。
「ものさし」はそれ自体が精密かつ正確でなければ、全く意味がありません。
したがってサージカルガイドを作製するにあたっては、歯科用CTで得た情報を元に、コンピュータ上で綿密な治療計画を立てていきます。
歯科用CTで正確かつ精密な情報を得る
安全で予後の良好なインプラント治療をおこなうためには、まず患者様のお口の状態を正確に把握するための検査が必要となります。
ただ実際にインプラントを埋入する骨は歯ぐきの中にあり、直接目で確認することはできません。
またレントゲン写真は平面での情報はある程度得られるものの、骨の幅や厚みなどを測ることは不可能です。
しかし近年は歯科用CTが登場し、レントゲン画像だけではわからなかった骨の幅や厚み、神経や上顎洞の位置が正確に把握することができるようになっています。
立体画像上でインプラントの埋入位置や方向をシミュレーション
歯科用CTなどで得られた情報は、コンピュータ上に立体画像で映し出すことができます。
つまり患者様のお口の中がそのままそっくりコンピュータ画面に再現できるわけです。
その画像上で、どこに被せ物を入れるのが最良か、またそのためにはどこにインプラントの歯根を埋入すれば良いのかを何度もシミュレーションしていきます。
シミュレーションを元にサージカルガイドを作製
画像上のシミュレーションでインプラントを埋入する位置や方向、角度などが確定したら、その情報を正確に写したサージカルガイドを作製します。
サージカルガイドはプラスチック製のマウスピースのような形状をしており、ドリルを差し込む位置に穴があいています。
実際の手術ではそのサージカルガイドを患者様のお口に装着し、ガイドに掘られた穴に沿ってドリルを入れていきます。
これによりドリルのブレが防げるほか、事前に決定した位置や方向に正しくインプラントを埋入することができます。
ひかり歯科ではサージカルガイドによる精密な手術を行います
サージカルガイドは安全で正確なインプラント手術が実現できることともう1つ、従来よりも術後の腫れや痛みを少なくできるという利点があります。
従来のインプラント手術では、歯ぐきを切開して骨の状態を確認する必要がありました。
しかしサージカルガイドを使用する手術では事前の歯科用CT検査で骨の状態が把握できているため、基本的には歯ぐきを切開する必要がありません。
これにより患者様の手術における負担が軽減し、術後の痛みや腫れが少なくなります。
インプラントをお考えの方は是非ひかり歯科へご相談ください。