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熱いものがしみる原因は虫歯だけじゃない!考えられる4つの理由と対処法

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監修:歯科医師 長谷川雄士


熱い飲み物や食べ物を口にしたとき、「しみる」と感じたことはありませんか?このような症状が続くと、「虫歯かもしれない」と心配される方も多いでしょう。
しかし、実は熱いものがしみる原因は虫歯だけではありません。知覚過敏や歯周病など、さまざまな要因が関係していることがあります。
今回は、熱いものがしみる4つの主な原因と、それぞれの対処法について詳しく解説します。


熱いものがしみる原因とは?考えられる理由

熱いものがしみるという症状の背後には、知覚過敏をはじめ、歯周病や歯のひび割れ、さらには神経の炎症などの要因が潜んでいる可能性があります。

1. 知覚過敏(エナメル質の摩耗)

知覚過敏は、歯のエナメル質が摩耗したり、象牙質が露出したりすることで引き起こされます。その主な原因には、以下のようなものが挙げられます。

  • 強い力でのブラッシング
  • 酸性の飲み物(炭酸飲料・柑橘類など)の頻繁な摂取
  • 歯ぎしりや食いしばりの習慣
  • 加齢による歯ぐきの後退

冷たいものや甘いものがしみることが、知覚過敏の代表的な症状です。
このような症状が現れた場合は、適切な口腔ケアを行うことが大切です。知覚過敏用の歯みがき粉の使用や、歯科医院でのフッ素塗布なども有効な対処法ですので、早めの対応を心がけましょう。

2.歯周病

歯周病の主な原因は、歯垢や歯石の蓄積で、口腔ケアが不十分な場合に発症しやすくなります。進行すると歯ぐきが後退し、歯の根元が露出することで温度刺激に敏感になることがあります。

  • 歯ぐきの赤みや腫れ
  • 歯みがき時の出血
  • 口臭や歯のぐらつき(進行時)

歯周病を適切に管理するためには、早期発見と日常のケアが欠かせません。定期的な歯科検診と正しいブラッシング習慣を心がけることが、進行の予防につながります。

3.歯のヒビ

歯のヒビは、硬いものを噛む習慣や外傷などが原因で生じることがあります。ヒビが入ることで外部からの刺激が歯の神経に直接伝わりやすくなり、しみたり痛んだりするようになるのです。

  • 硬い食べ物を噛んだときの鋭い痛み
  • 熱い、冷たいものによる刺激への過敏な反応

歯のヒビは見た目ではわかりにくいことも多いため、定期的な歯科検診での確認が重要です。早期に発見することで、症状の悪化を防ぎ、適切な治療につなげることができます。

4.神経の炎症(歯髄炎)

歯髄炎は、虫歯がなくても発生することのある神経の炎症です。
特に、熱いものを口にしたときにズキズキとした痛みを感じるのが特徴です。

  • 虫歯治療後の神経のトラブル
  • 噛みしめや食いしばりなどによる過剰な刺激

歯髄炎は放置すると症状が悪化する恐れがあるため、痛みや違和感を感じた場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

対処法・セルフケアと歯科医院での治療法

痛みを和らげるためには、セルフケアと歯科医院での適切な治療を組み合わせることが効果的です。日常生活でできる対処法と、歯科医院で受けられる治療法についてご紹介します。

① 知覚過敏の場合

セルフケアとして特におすすめなのは、知覚過敏用の歯磨き粉(シュミテクトなど)の使用です。象牙質の露出部分を保護し、刺激が神経に伝わるのを抑える効果が期待できます。
また、歯ブラシは毛先が柔らかいタイプを選び、ブラッシング時は力を入れすぎず、やさしく磨くことが大切です。強くこすりすぎるとエナメル質が傷つき、かえって症状が悪化する可能性があります。

さらに、炭酸飲料や柑橘類などの酸性の飲み物は、歯の表面を覆うエナメル質を一時的に軟化させてしまうため、過剰な摂取は避けることが望ましいです。日常的にこれらの飲食を控えることで、エナメル質を守り、知覚過敏の予防にもつながります。

歯科医院では、フッ素塗布を行うことでエナメル質を強化し、外部からの刺激に対する抵抗力を高めることができます。
また、露出した象牙質に対しては、シーラントなどの特殊なコーティング材を用いて覆い、痛みの原因となる刺激を遮断する処置も行われます。

このように、セルフケアと歯科医院での適切な処置を組み合わせることで、知覚過敏による痛みや不快感を軽減し、快適な口腔環境を保つことが可能です。症状が続く場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な対応を受けることをおすすめします。

② 歯周病の場合

歯周病に効果的に対処するためには、日常のセルフケアと歯科医院での専門的な治療の両立が重要です。

セルフケアとしては、歯ブラシによるケアだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して歯と歯の間の歯垢をしっかり取り除くことが効果的です。
さらに、抗菌作用のあるマウスウォッシュを取り入れることで、口内の細菌を減らし、清潔な状態を保つことができます。

また、タバコは歯周病の進行を早める大きな要因のひとつとされているため、禁煙も非常に効果的と言えます。

歯科医院では、専用の器具を使って歯石や歯垢を除去し、歯周ポケット内の洗浄を行う「ルートプレーニング」などの処置が行われます。歯周病が進行して重度になると、歯ぐきの再生を促す再生療法や外科的治療が必要になることもあります。

③歯のヒビ

歯にヒビが入っている場合は、状態に応じて歯科医院での治療が必要です。
日常生活では、硬い食べ物の摂取を控えることに加え、夜間の歯ぎしりや食いしばりによるダメージを防ぐために、マウスガードの使用が効果的です。

○浅いヒビの場合
コンポジットレジンを用いた接着治療でヒビを埋めることが可能です。

○深いヒビがある場合
被せ物をして歯を保護します。

日々の状態によっては、抜歯が必要な重度のケースもあります。

④ 神経の炎症が疑われる場合

歯髄炎が疑われる場合には、早期の対処と治療が必要です。

初期の段階では、市販の鎮痛剤を使用して一時的に痛みを和らげることが可能です。また、冷たい飲み物や刺激の強い食べ物を避けることで、神経への刺激を軽減し、症状の悪化を防ぐことができます。
しかし、痛みが続く、あるいは悪化するようなら必ず歯科医院を受診するようにしましょう。

症状が進行している場合は、「根管治療(歯の神経の治療)」が行われることがあります。これは、炎症を起こしている神経(歯髄)を除去し、歯の内部を丁寧に清掃・消毒したうえで密閉する治療法です。根本的な原因を取り除くことで、歯を残せる可能性が高まります。
ただし、歯の破損や感染が深刻な場合は、歯の保存が難しくなり、抜歯が選択されることもあります。
歯髄炎は進行が早いため、違和感や痛みを感じたら、早めの受診が大切です。

歯医者に行くべきタイミング

歯医者に行くべきタイミングは、口内の健康を保つために重要です。特に以下の症状が見られる場合は、早めの受診が推奨されます。

  • 痛みが数日以上続いている場合
  • 熱いものだけでなく冷たいものにも反応がある場合
  • 歯茎からの出血や腫れがある場合
  • 歯のヒビや痛みが悪化している場合

これらの症状がある場合は、適切な診断と治療を受けるために歯科医院での受診を行い、ご自身の歯を守ることにつながります。

再発を防ぐための習慣

日々の正しい歯磨きと定期的な歯科検診が、健康な歯と口内環境を維持する鍵です。再発を防ぐための口内ケア習慣をご紹介します。

① 食生活の見直し

口内健康を守るためには食生活の見直しが重要です。酸性食品の摂取を減らすことで歯のエナメル質を保護し、カルシウムやビタミンDが豊富な食品を積極的に摂取することで、歯と骨を強化します。
また、乳製品、緑黄色野菜、魚などは特にお勧めの食品です。

② 正しい歯磨きの習慣

正しい歯磨きの習慣は口内健康を保つために不可欠です。歯科医院で個々の口内状態に合わせたブラッシング方法を学び、毎日のケアに活かしましょう。
また、電動歯ブラシを使用すると均等な圧力で効率的に歯を磨くことができるため、特に手が届きにくい部分のケアに効果的です。

③ 定期的な歯科検診

定期的な歯科検診は、虫歯や歯周病などの口腔内トラブルを早期に発見し、適切に治療するために欠かせません。一般的には、3〜6か月ごとの定期検診が推奨されています。

検診では、普段のブラッシングでは取り除きにくいプラーク(歯垢)や歯石を専用の器具で除去するため、歯肉炎や歯周病の予防にもつながります。

また、歯の状態や噛み合わせ、歯ぐきの健康状態などを総合的にチェックすることで、症状が現れる前に異常を見つけることも可能です。

定期的なチェックと予防ケアを習慣化することで、口内の健康を長く維持することができます。気になる症状がなくても、ぜひ定期的な受診を心がけましょう。

熱いものがしみる原因を知り、適切な対処を

熱いものがしみる原因はさまざまで、知覚過敏をはじめ、歯周病、歯のヒビ、神経の炎症などが考えられます。これらの症状は、適切なセルフケアと早期の歯科受診によって改善が期待できます。
日常的に正しい口腔ケアを心がけるとともに、定期的に歯科検診を受けることが、健康な歯を維持し、再発を防ぐための大切なポイントです。
少しでも違和感を覚えたら、早めに専門医に相談しましょう。

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