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歯を一日磨かないで過ごしたら、どんな変化が起こる?[虫歯予防]

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監修:歯科医師 長谷川雄士


忙しさや何らかの理由で歯磨きをするタイミングを逃した経験は、誰にでもあるでしょう。しかし、その積み重ねが口内環境にどのような影響を与えるのかを知っておくことがとても重要です。たとえば、歯磨きの代わりにとりあえず口をすすぐことは果たして意味があるのでしょうか?今回は、歯磨きをしなかった場合のお口の中の変化と、毎日歯磨きを行なう必要性についてお話していきます。


歯磨きをサボった日のお口の中は.…

一日歯を磨かなかったからといってすぐに虫歯になるわけではありません。しかし、その変化はすぐに現れます。
歯磨きをせずに長時間経過した時、舌で歯を触ってみてざらつきやネバつきを感じたことはありませんか?これは、プラーク(歯垢)が歯の表面に蓄積していることが原因です。私たちの口内には、通常約1000億個の細菌が生息しています。1日でも歯磨きを怠ると、その数は6000億個以上に急増すると言われています。この細菌の増加が、プラークや歯石の形成を促し、結果として虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうのです。

なぜ、歯を磨いても虫歯になってしまうのか?

毎日忘れずに歯磨きをしていても、虫歯になってしまうことがあります。これは、しっかり磨いているつもりでも歯ブラシのみでは歯の表面の約60%しか磨くことができず、歯と歯の間や歯の裏側などに磨き残しが生じているからです。また、忙しい朝などは、急いでざっと歯を磨くこともあるでしょう。このように歯磨きが不十分な場合、プラークの除去が不完全で、実質歯を磨いていないのと同じ状態になります。時間がなくてガムやマウスウォッシュで終わらせる場合も同様です。一時的な清涼感は感じられるかもしれませんが、歯磨きのようにプラークや汚れを除去できるわけではありません。以上のようなリスクが少しずつ積み重なり、その結果、虫歯が発生してしまうのです。

虫歯を予防する「正しい歯磨き」のコツとは?

虫歯予防には、正しい方法で歯磨きをすることが非常に重要です。では、実際どのようなことに気をつけて磨いたらいいのでしょうか?

時間・回数

一番理想的なのは、食後すぐに歯磨きを行うことです。しかし、日々の生活によってはそれが難しい場合もあるでしょう。そのため、少なくとも1日1回はしっかりと歯を磨くようにしてください。特に、就寝前の歯磨きは重要です。夜間、口内の水分量が減少すると、細菌の繁殖に適した環境が生まれやすくなります。この状態を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。
また、歯ブラシの届きにくい歯と歯の間のプラークを効果的に除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシの使用が推奨されます。これらの補助的なツールを使うことで、歯ブラシだけでは取り除けない細かい食べかすやプラークを除去し、口腔内の衛生状態をより良好に保つことができます。。歯ブラシと併せて使用する習慣を身につけましょう。

歯磨き粉

研磨剤が含まれている歯磨き粉を選ぶ際には注意が必要です。研磨剤は汚れを効果的に取り除くための成分ですが、同時に、歯のエナメル質を傷つけてしまう恐れもあります。特に過度に力を入れて磨くと歯を痛めるリスクが高まります。研磨剤が入っている方が着色汚れなどは落ちやすいですが、リスクなどを考慮すると研磨剤なしのものを選んだ方が良いでしょう。
また、歯磨きの際には、フッ素が配合されている歯磨き粉の使用をお勧めします。フッ素には虫歯を予防する効果があり、歯の再石灰化を促し、エナメル質を強化する働きがあります。市販されている多くの歯磨き粉にはフッ素が含まれていますので、商品選びの際には成分表示を確認し、フッ素配合のものを選ぶようにしましょう。

定期検診

ご自身がしっかり磨けているつもりでも、見えにくい部分にプラークが残っている可能性があります。そのため、ブラッシング方法が適切かどうか、そして虫歯や歯周病が進行していないかを定期的にチェックすることは非常に重要です。歯科医院を定期的に訪れ、歯科医師や歯科衛生士による専門的な診断とクリーニングを受けることをお勧めします。
歯科のプロフェッショナルクリーニングでは、特殊な器具を用いて、ご自宅でのブラッシングでは除去できない堅固なプラークや歯石を取り除きます。また、口腔内の健康状態を評価し、必要に応じて適切な治療や予防策を提案してくれます。

まとめ

忙しくて歯磨きのための時間を確保することが難しい方もいらっしゃるかもしれませんが、歯磨きをしない日が続くと虫歯や歯周病のリスクが高まります。1日に1回でも、しっかりと時間を取って歯を磨くことが大変重要です。
一日の終わり、寝る前の時間を利用して丁寧に歯磨きを行うことで、一日の間に蓄積したプラークを効果的に除去し、口腔内環境を健康に保つことができます。歯磨きの習慣を身につけて、歯と歯茎の健康を守るよう心がけましょう。

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