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歯が多い「過剰歯」と診断された方が知っておきたいリスクと治療法

最終更新日: 公開日:

監修:歯科医師 長谷川雄士


歯科検診で「過剰歯がある」と言われたことはありませんか?過剰歯があるとどうなのかがよくわからず、そのまま放置している方もいるのではないでしょうか。今回は、過剰歯とはどういうものか、また、過剰歯を放置することのリスクと適切な対処法について詳しくお伝えしていきます。

【目次】
1.歯の本数が多くなる「過剰歯」とは?
 1-1過剰歯の原因はまだはっきりしていない
2.過剰歯にはどんなタイプがある?
3.過剰歯を放置するリスクとデメリットについて
4.過剰歯についてのご相談も受け付けております

歯の本数が多くなる「過剰歯」とは?

通常、永久歯は28本、親知らずは1~4本で、お口の中には最大32本の歯が生えてきます。しかし、中にはその本数に含まれない予定外の歯が存在することがあり、その歯のことを「過剰歯」と言います。

過剰歯の原因はまだはっきりしていない

過剰歯がどうして発生するのか、その正確な原因はまだ完全には解明されていません。歯が形成される過程で、「歯胚(しはい)」と呼ばれる歯の卵が余分に作られたり分裂してしまったりすることが原因ではないかとされています。また、遺伝的な要因も関与していると考えられています。
過剰歯の発生率は全体の約3%であり、女性よりも男性の方が、約3倍発生率が高いと言われています。

過剰歯にはどんなタイプがある?

過剰歯には、大きく分けて「正中過剰歯」「順性過剰歯」「逆性過剰歯」という3つのタイプが存在します。

●正中過剰歯
上の前歯の間やその裏側から生えてくる過剰歯です。時には歯茎の中に完全に埋まってしまい、外からは見えない状態で存在することもあります。

●順性過剰歯
本来の歯と同じ向きで成長し、歯が生えるタイミングで歯茎から顔を出すことが多いです。

●逆性過剰歯
本来の歯とは逆向きで生えてきます。そのため、歯茎から顔を出さずに埋まったままの状態になることがほとんどです。

過剰歯は、基本的にはレントゲン検査によって発見されます。特に、歯の生え変わる時期である6歳頃の検診で見つかることが多いです。

過剰歯を放置するリスクとデメリットについて

過剰歯を放置すると、次のような問題が起こることがあります。

●永久歯が生えてこない
過剰歯が永久歯の生えるべき場所に存在し、萌出を妨げることがあります。乳歯が抜けた後もなかなか永久歯が現れない場合、過剰歯が原因かもしれません。

●前歯に隙間ができる、歯並びへの影響
過剰歯が他の歯を押すことで、永久歯が本来生えてくる予定だった位置からずれてしまうことがあります。この場合、歯が重なって生えてきたり、前歯に隙間ができたりするなど、歯並びに悪影響が生じるかもしれません。

●永久歯の根を溶かす
過剰歯が骨内で成長する過程で、近くの永久歯の根を溶かすことがあります。歯根はセメント質で構成されており、この部分がダメージを受けると、神経が露出し、最悪の場合は神経が死んでしまう恐れがあります。

●嚢胞の形成
過剰歯が歯茎内に留まっていると、その周囲に嚢胞が作られることがあります。この嚢胞が成長すると、さらに永久歯の根を溶かして歯を失ってしまうことに繋がりかねません。

これらのリスクを避けるためにも、過剰歯が見つかった場合は早期の診断と適切な治療が重要です。定期的な検診で状態を確認し、必要に応じて専門医のアドバイスを受けることをお勧めします。

過剰歯の治療方法として最も一般的なのは抜歯です。過剰歯が他の永久歯に影響を与えていなければ、特に治療せずそのままにしておくこともありますが、埋伏している過剰歯や他の歯への悪影響が認められる場合には、抜歯が必要とされます。
ただし、抜歯自体にもリスクが伴います。そのため、治療にあたっては、事前にレントゲンや歯科用CTを用いた精密な診断が行われます。これにより、適切な治療計画を立てることが可能となり、安全かつ効果的に過剰歯を治療することができるのです。

過剰歯についてのご相談も受け付けております

過剰歯の確認には、レントゲンや歯科用のCTが有効です。過剰歯の位置によっては治療が必要で、正確な位置と状態を把握するためにはしっかりとした診断が重要です。
当院では、歯科のCTの設備を完備しており、抜歯を含む各種治療を安心して受けていただける環境を整えています。何かご心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。

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