気になる銀歯は白くできる!保険と自費のやり替え方法をご紹介
監修:歯科医師 長谷川雄士
「前につけた銀歯の色が気になる」というお声をよく耳にします。そして、そうやってお悩みの方は、「気になるけれど色は変えられない」と思われていることが多いです。
しかし、実はそうではありません。銀歯は白いものに変えることができます。
保険診療や自費診療など方法はさまざまですので、今回は、それぞれの方法のメリットとデメリットをご紹介していきます。
銀歯をやりかえる方が増えています
銀歯を白くしたいという希望の方の理由として、
- 見た目の改善
- 虫歯の再発リスクを下げる
- アレルギーの心配
などがあげられます。
「色が気になる」という見た目の問題だけでなく、金属が引き起こす影響や健康への潜在的なリスクも懸念されるようになりました。
銀歯を白くする方法にはいくつか種類があり、銀歯がついている部分や気になられている内容によって適した方法は異なります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
治療の選択肢のご紹介
保険診療の場合
コンポジットレジン
コンポジットレジンというプラスチックを使用する治療方法です。金属を取り除き、その部分にコンポジットレジンを充填し、専用の光を当てて硬化させます。
<メリット>
・通常、治療回数が1回で済む
・削る量が少ない
・金属アレルギーの心配がない
<デメリット>
・元の銀歯の位置や大きさによっては適用できない場合がある
・金属に比べると耐久性に劣る
・変色する
・過度な力が加わることで割れることがある
<費用>
1本あたり約1500円〜2000円程度
硬質レジン前装冠
金属フレームの外側に白いプラスチックを貼り付けた被せ物です。主に前歯の治療で用いられます。
<メリット>
・外見が白く、審美的に望ましい
・内側に金属を使用しているため、強度が保たれる
<デメリット>
・前歯(中心からから3番目までの歯まで)にのみ適用可能
・プラスチック部分は変色する
・表面が傷つきやすく、汚れが付着しやすい
・内側の金属により、歯茎が黒ずむことがある
・プラスチックが摩耗して金属フレームが露出することがある
<費用>
1本あたり約5000円
硬質レジンジャケット冠
内面に金属を使用せず含プラスチックのみで製造する被せ物です。
<メリット>
・前歯から第二小臼歯(5番目の歯)まで適用可能
・金属アレルギーの心配がない
・金属が含まれていないため、歯茎の黒ずみを引き起こさない
<デメリット>
・変色する
・金属を使用していないため、強度に劣り、破損しやすい
・咬合力が強い奥歯には適していない
<費用>
1本あたり約5000円から6000円
CAD/CAM(ハイブリットセラミックレジン)
ハイブリッドセラミックという、セラミックとプラスチックを融合させた材質で作る詰め物や被せ物です。CAD/CAMは従来の型取り方法とは異なり、コンピューターでのスキャンを行い設計・製造します。
<メリット>
・金属アレルギーの心配がない
・セラミックを含むことで、純プラスチック製の被せ物よりも高い強度を持つ
・コンピューター制御による製造で、治療期間が短縮される
<デメリット>
・プラスチック成分が含まれているため、摩耗しやすい
・プラスチックほどではないが変色する
・使用できる症例に制限がある(※前から6番目の歯にも適用することができますが、7番目の歯が存在していることが条件です)
・歯ぎしりや食いしばりの習慣がある人は、破損するリスクがある
<費用>
部分的な修復で約5000円、全体的な被せ物で約6000円から8000円
自由診療の場合
オールセラミック
セラミックのみで作る詰め物や被せ物です。
<メリット>
・天然歯に近い透明感と光沢を持ち、見た目が美しい
・変色しない
・アレルギー反応の心配がない
・高い耐久性を持つ
・表面が滑らかなので、汚れが付きにくく、清潔に保ちやすい
<デメリット>
・衝撃に弱く、割れるリスクがある
・歯ぎしりや食いしばりがある方には適していないことが多い
・金属製の被せ物に比べて、歯を削る量が多くなる傾向がある
<費用>
部分的な修復で約5万円から8万円程度、全体的な被せ物で約8万円から20万円
メタルボンド
内側に金属フレームを使用し、外側にセラミックを焼き付けた被せ物です。
<メリット>
・変色しない
・高い耐久性を持つ
・表面が滑らかなので、汚れが付きにくく、清潔に保ちやすい
<デメリット>
・金属を使用しているのでアレルギーを引き起こすことがある
・内面に金属があるため歯茎が黒ずむことがある
・オールセラミックに比べると歯を削る量は少ない
<費用>
1本あたり約8万から10万円
ジルコニア
ジルコニアという「人工ダイヤモンド」と称されるほどの強度を持つセラミックで作る被せ物です。
<メリット>
・劣化や変色が少ないため、長期間にわたって美しさを保つことができる
・高い強度を持つため、割れにくく耐久性がある
・透明感があるため、自然な見た目で審美的に優れている
・金属アレルギーの心配が少ない
<デメリット>
・材質が硬いため、一度製作後の修正や調整が難しい場合がある
・金属製の被せ物と比較して、歯を削る量が多くなる傾向がある
<費用>
1本あたり約20万円
ハイブリットセラミック
ハイブリッドセラミックという、セラミックとプラスチックを融合させた材質で作る詰め物や被せ物です。
<メリット>
・セラミックのみを使用したものに比べて、費用を抑えられる
・金属アレルギーの心配がない
・セラミックを含むことで、自然な白さに近づけることができ劣化にも強い
<デメリット>
・プラスチック成分が含まれているため、時間が経つと変色する
・表面が傷つきやすく、長期間の使用により見た目が損なわれることがある
<費用>
部分的な修復で約4万円から6万円、全体的な被せ物で約8万円から12万円
まずは、現在の銀歯の状態を見てもらいましょう
銀歯を白くする方法は「保険診療」と「自由診療」とで異なり、使用する材質によっては、変色や劣化を伴います。
治療直後は改善されても、いずれまた気になるようになるかもしれません。そのときにまたやり変えるのも一つの手ですが、長期的に考えると、最初から懸念の少ない方を選んだ方がご自身の歯を守る上で効果的と言えます。
「保険診療」は国が定めた基準に従って行われますが、「自由診療」は医院ごとで扱っている治療方法や価格設定が異なります。そのため、必ず事前にカウンセリングを受け、納得された上で治療を煤けるようにしましょう。
気になることがございましたらお気軽にご相談ください。現在ついている銀歯を確認した上で、治療方法をご提案させていただきます。
監修者プロフィール
- 資格・所属学会
- (社)日本口腔インプラント学会
- 愛知インプラントセンター
- 日本歯科医師会
- 静岡県歯科医師会
- 静岡市歯科医師会
